地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐


真っ黒で艶やかな髪

白くて柔らかい肌

大きな目にびっしりと生えた睫毛

さくらんぼ色の小さな唇



はっきり言って…かなりの美少女

病室に来たあの女とは、まるで違う。

瓶底メガネにみつあみで…かなり地味だった。



「変装でもしてんのか?」


ピンク色の頬をプニプニと触った。


柔らかい………(笑)



彼女の体を抱き直す。


シャンプーの甘い香りがほのかに漂い、白い肌から石鹸の香りがした。



「……これだ。」

顔をまじまじと見る。

呼吸は苦しそうだが、静かに眠っている。



この香り……知ってる気がする。

寝顔なんてすごく……。



見たことないはずなのに、“知ってるんだ”


マリナを抱き締めた時に感じた違和感が、全くない。
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