地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
倒れたところを見て、体が自然と動いた。
なぜか、他の奴が触るのはすごく嫌だった。
「自分の女でもないのに…なんでだ?」
抱え上げると、あまりの軽さに驚いた。
中身…綿だらけじゃねぇの?
会うのは、2回目なはずなのに…
髪質…感触…匂い…抱き心地…
全てにおいて、しっくりと来る。
まるで……前から知っていたみたいだ…。
「お前って………俺の何…?」
頭を撫で…手を頬まで滑らせた。
サラサラの黒髪が揺れる。
“視えた”記憶と、彼女の姿が重なった。
まだ呼吸は乱れ気味……。
早く楽になれ……と願うように、頭を撫で続ける。
すると………
「………んっ………」
小さく身じろぎをして、目を開けた。