地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐



何度も繰り返し撫でられる。



温かさ…声…リズム…全てが、夢の中のものと一致した。


夢の中で毎日撫でてくれてるのは…この子なんだ……。



「陸が怪我なんてしませんように」


5分くらい撫で続けた後に、この言葉を言った。



そして額をくっつける。


「ほら……もう治ったよ……痛くないでしょ…?」


ね?というように優しく微笑んだ。


「ホントだ………痛み引いてる」


さっきまでヒリヒリしていた額の傷は、なんの痛みもなくなっていた。



「よかった………」

ホッとしたように、また笑い…
俺の首に腕を回して抱き着いて来る。




「やっと………眠れる……」


小さく呟くと首筋に顔を埋めた。
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