地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
俺の問い掛けに、コクンと頷く。
だが、息遣いは乱れて行くばかりで……
「だい……じょ…うぶ…だから」
無理に笑みを作った。
「それで大丈夫はねぇだろ」
「寝てた…ら治…るから……」
息も絶え絶えに返して来る。
次第に、喉がヒューヒューと鳴り、過呼吸になった。
「ハァハァハァ……ヒューヒュー………ハァハァ………」
顔は真っ青になり、目に大粒の涙が溜まる。
「ゆっくり呼吸しろ!」
「…ちょっ……ムリ……ハァハァ…」
紙袋があれば良いんだが、見当たらない。
仕方ねぇな……
「“杏っ”…!」
「な…に……っ……」
「んっ…………!」
彼女の口を塞いだ。
ハンカチでもなく、手でもなく
俺のそれで。