地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
「やっぱり……知ってる……」
知ってるというより、体が覚えてる…。
サラサラの黒髪
柔らかくて白い肌
細くて華奢な手足
ほのかに漂う甘い匂い
さくらんぼ色の小さな唇
優しい声
飛び切り可愛い笑顔
彼女の全てを覚えてるんだ…。
でも………
「お前って……俺の何……?」
俺にとって…どういう存在…?
どういう関係…?
それが、どうしてもわからない。
なんでわかんねぇんだよ…?
誰よりも安心出来るのに…落ち着くのに……。
俺が忘れた子は、絶対に彼女だ。
「ごめんな……忘れて……」
静かに眠る彼女に、優しく口づけをした。