地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐


かなり怖いっ……(泣)



「あっ…運んでくれてありがとう」


ぶっ倒れたあたしを保健室まで運んでくれたんだよね?



「お礼を言うなら…滝本君に言いなさいよ?」

「はい………?」

「運んでくれたのも滝本君だし、さっきまで看ててくれたのも滝本君だから」



う………そ………!?


目を見開いて固まる。



「私が来るまで、ずっと一緒にいてくれたんだからね?…キチンとお礼言うのよ?」


ずっと一緒…………?
さっきまで……?


なんで…?あたしのことは忘れたのに…。




「あれ?杏樹、猫と遊んだの?」


フルフルと首を振る。


「ブレザーに毛がついてるわよ」

ほら!というように、毛を見せた。
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