地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
答えない私に、陸が再度問い掛ける。
「咲姉なら…知ってんだろ?」
「………知ってるわ。」
「ならっ…!」
「でも…それは私の口から言えることじゃない。
アンタ自身が答えを見つけないと意味がないのよ。…自分で思い出さないと…大切なものを失うわよ?」
雑誌を元の場所に戻し、コーヒーを飲み干して、荷物を持つ。
「それとね……マリナと付き合ってる身で、杏ちゃんに関わるのは1番最低だと思うわ。」
座ったままの陸を一瞥して部屋に戻った。
「なんで陸は別れたのかしら?」
記憶を無くしても、杏ちゃんに惹かれてるのに…。
別れる直前まで、陸は杏ちゃんにメロメロだった…。
「どうして………?」
広い部屋に、疑問の言葉が響いた。