地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
陸をスタジオから連れだして…人目のつかない場所まで来た。
「どうかしたのか?」
長身の陸があたしを見下ろす。
えっと……言わなきゃ……
「あの……」
「ん…?」
見上げると、優しく微笑みながら首を傾げていた。
その表情は、付き合ってた頃と変わっていなくて…
思わず……抱き着きたくなった。
唇を噛んで我慢する。
「あのっ……昨日は保健室まで運んで下さって、ありがとうございましたっ」
泣きそうな顔を見られたくなくて、頭を下げてごまかした。
「いや…たいしたことしてねぇから…」
優しい声で言ってくれる。
顔を上げると、また優しい笑顔があった。
「メシ食ってねぇだろ?軽すぎる」
「!?」