地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐


「ちょっと痛いかも……」

「・・・・////////!」



陸の頭を胸元で抱きしめて、頭を撫でる。


陸は身長が高いから、座っててくれると助かるんだ。



怪我してると、悪い気まで呼び寄せるからね。

早く治さないと……。



「彼の身に在りし、まがことまが物の全てを浄化し…残るまが物は、我が身で引き受ける、癒しの門…!」


頭を撫でながら、神呪を唱えた。





あたしの霊力で…陸の傷を塞いで治す。


「……っ………」


多少痛みがあるため、背中に腕を回して…しがみついて来た。



大丈夫だから。もう治るからね?



あの日……学園で怪我した日から決めてたんだから。


陸の怪我は、“力”を使ってでもあたしが治すってね…?


苦しむ顔を見たくないから―…
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