地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
一度…拭い取られると、止まらなくなった。

ポロポロと溢れてくる…。



どうしよ…止まんない…

強くならなきゃって決めたのに。

やっぱりこの人の前じゃ…泣き虫になる。



これ以上…傍にいたら、縋り付いてしまう。


本当は、他の女なんて抱いてほしくないよ…。

あたしだけのものになってほしい。
キスしてほしい。抱きしめてほしい…。




「マリナなんか…抱いちゃヤダ…」


ぽつりと口に出してしまった。


「え…………?」


パチッと目が合う。


「あっ…ごめんなさいっ!な、なんでもないからっ」


失態に気付き、慌てて離れた。




メガネだけを掴み、この場から走り去る。




「……本当に欲しい奴は、アイツなんだけどな。」


小さな陸の呟きを…あたしは知らなかった。
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