地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐

†証拠



翌日―……



「じゃあ…黒田マリナが、今回の事件の犯人?」

「おそらくね」

「滝本君を彼氏にしたのも、天狐になるため?」

「う〜ん…多分」



売店で買ったお茶を飲みながら、柚莉と放課後の教室でお喋り。



「でも…確かな証拠がないんだよね」

「マリナが妖狐ってこと?」

「うん」


マリナが妖怪ってことも、まだあたしの憶測だし…証拠がない限り、調伏も出来ない。

どうしよう………?



「…ところで。杏樹の手と足のアザは何?」

「へっ…?」


柚莉があたしの包帯を巻いた手を指差す。


「あー…ちょっと人の怪我を引き受けただけ」

「はぁ!?」

「声が大きい。うるさいよ」


叫んだ柚莉を叱って、お茶を飲んだ。

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