地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐


昨日…陸の体中の傷が治っていた。



「毎日、少量ずつ美味しくいただいていたのに…」


今日、いつものように少量いただこうと術を使ったら、発動出来なかった。



「誰か術者が守っている…?」


まさか。そんなはずはない。


陸の周りには、そんな存在はいないはず。



「マリナの邪魔はさせない。なんとしてでもあの魂を手に入れる」




その前に、まだくたばらない女の泣き顔を堪能するとしよう。



「このマリナ様に刃向かうから、痛い目に遭うのよ」



金色に光り輝く髪を撫で、指に巻きつける。




ゆったりとしたソファーに腰掛け、曇り一つない大きな窓から月を見上げた。



「あと………1日………」


水晶玉を月明かりに照らしながら、呟いた。



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