地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐


体中に鳥肌が立つ。


教室の中は、充分に暖房が効いてるのに、体が震え出した。



前もこんなことがあった。

あれは………柚莉が呪詛で苦しんで助けを求めた時。




「陸が…………?」


危ない?


今日は満月


マリナが天狐になるには、絶好の機会…!




陸が、危ないなんて確証はない…けど、この鳥肌と震えはあたしに警告してくれてるんだと思う。



「行かなきゃ………」


一目、陸の無事な姿を見れば良い。
何もないなら、それはそれで良いんだからっ……



ガタンッ…!


「神崎さん?どうかしたの?」

「えっと……気分悪いんで早退しますっ…!」


「は………?」



机の横から鞄を取り、荷物を詰める。


調伏道具があるのを確認した。
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