地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
帰る仕度を済ませると、先生への挨拶もそこそこに、教室を飛び出す。
全力で長い廊下を走り、階段を駆け降りた。
教室では―……
クラス中が…ア然と杏樹が走り去った姿を見ていた。
校門を出て、ブレザーのポケットから携帯を取り出す。
咲さんの番号を出して、電話を掛けた。
《はい、杏ちゃん?》
「あのっ!今日の陸って、どこで仕事してますか!?」
《陸?……確か、■★◆スタジオだけど?どうかしたの?》
「■★◆スタジオですね?」
通話をしながらタクシーを拾う。
乗り込み、行き先を伝えた。
咲さんに、「ちょっと心配になったから見に行く」と伝えると…
《私も行くから!》と返ってくる。
スタジオの建物前で待ち合わせをして電話を切った。