地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
鞄からメガネを取り出して掛ける。
手首につけてたヘアゴムで髪をひとつにまとめた。
そして気付く。
「あっ…制服のままだ…」
ま、いっか。
仕方ないよね、着替えないもん。
コートを着て、マフラーを巻く。
一応…道具を制服のポケットに入れた。
数珠は、首に掛けて制服の中に隠す。
念のためね……。
ちょっと運転手さんが不思議がってたけど、気にしないことにした。
10分程でスタジオ前につく。
お金を支払い、外に出た。
「3時半か………」
携帯で時間を確認して、咲さんが来るのを待つ。
「あと……5分くらいかな?」
学園にいる柚莉の身に、危険が近付いていたとは知らずに……。