地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
――柚莉Side――


6限目の古典の授業が終わった。


HRも済み、生徒達はそれぞれで帰って行く。



「杏樹、どうしたのかしら?」


鞄に教科書を詰めながら呟いた。


ちらっと見えた顔は、蒼白で何か焦ってたかも?



「…また妖怪退治かな?怪我しなきゃ良いんだけど」



前のように、満身創痍で虫の息みたいな状態になってほしくない。


あの時は、本気で泣きじゃくって…1週間毎日泣いてたんだから。


大切な杏樹を失うなんて、考えられない。



「怪我しないでね、杏樹…」


祈るように言って、鞄のチャックを閉める。



「帰る前にトイレ行こうかな…」


鞄は教室に置いたまま、トイレに向かった。



「え……………!?」



急に呼吸が苦しくなる。
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