地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
喉を押さえた。
ケホッ…ケホッ……
風邪なんて引いてないのに…なんで?
スッと目の前が、暗くなった。
蛍光灯切れたの…?
いや……違う。
暗くなったのは、真っ黒な服を着た長身の男の人が立ってるからだ。
この人……危ないっ…!
後ろに逃げようとするが、
「貴女には、マリナ様の余興の道具になってもらいましょう」
バリトンの声が、脳に響いて動けない。
「…っ…い……やっ…杏樹っ!!」
いつの間にか、3人の男に取り囲まれて、抵抗も出来ないまま……
気を失った―…。
私が、事件に関わることで杏樹をもっと苦しめるなんて―…