地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐


マフラーとコートを脱ぐ。

鞄と一緒に置いて、陸の前まで来た。



「ちょっとっ!陸君に近寄らないでよ!」

「また来たのかよ…ブスっ!!」

「地味子は引っ込んでろ!」


相変わらずの暴言大会…。


「……なんですって?今、杏ちゃんに何て言った?」

突然、咲さんが今までにないくらい低い声を出す。



「だって…この子っ場違いなくらい地味で不細工じゃないですかっ」

「そうよっ…なのに陸君に手を出すなんて…バカ女じゃん!!」



あたしがいつ、陸に手を出したんですかっ?

関わって来たつもりもないですけど。




「アンタ達…私の大切な嫁に!!」

あたし…咲さんの妻になるんですかね?


「…咲さん。言われ慣れてるんで、大丈夫ですから」
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