地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐


あらま……本性現わしたわね?



「アンタなんかっ……火あぶりで死ねっ!」



全ての狐火が、一斉にあたしに向かってくる。



「キャーー!!」

「に、逃げろっ…!!」

「うわーーー!」


スタッフさんが慌てふためき、モデル達の悲鳴がスタジオを揺らした。







「杏ちゃんっ…!」


咲さんが、あたしの名前を叫ぶ。






目の前まで、狐火が迫って来た瞬間…


小さく呟いた。



「……………我が身は我にあらじ、神の御盾を翳すものなり」


神呪を受けて具現化された見えない盾が、狐火を跳ねて返し打ち砕く。




大量にあった狐火が、スーッと消えていった。





「「「「えっ………!?」」」」



その場にいた全員が、自分の目を疑う。
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