地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐


ケラケラ笑って答えた。

ふと…階段から落ちたことを思い出す。



「まさか…階段から落ちたのも、貴女の仕業じゃないでしょうね?」

「マリナが突き落としたけど?それがどうかしたのぉ〜?」


さらりと白状された。



「だってぇ〜突然記憶をなくしたら、不自然じゃな〜い?頭でも打った方が記憶喪失なんて自然でしょ♪」


マリナの口から次々と、陸の身に起こった事実を聞かされる。

頭を鈍器で殴られたような気分になった。

同時に…『なんで気付いてあげられなかったんだろう?』という激しい後悔が襲って来る。


今考えれば、不自然なことばかりだった。


突然落ちてきた窓ガラス

ドジなんてしない陸の事故

別れたあたしだけ記憶をなくした


全て一直線で繋がっていた。
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