地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
「バカね」
マリナが鼻で笑う。
次に聞こえたのは、咲さんの悲鳴だった。
「……っ陸…!!」
「えっ………?」
ゆっくりと、後ろにいるはずの陸を見る。
「た…き……もと…く…ん…?」
「マリナの獲物なんだから、マリナの好きにしたって良いでしょ?」
悪魔の声が聞こえる。
「死ぬ時は、獲物も一緒よ?」
目の前の光景が、信じられなくって…心臓が凍り付いた。
「マリナに術を使ったら、倍の威力で、陸に向かうからねぇ♪」
楽しそうな…この場には不釣り合いな口調で話す。
「………うそでしょ?」
ペタンと床に、膝をついた。
指先から、体の熱が逃げていく。
陸の胸から、大量の真っ赤な血が流れていた。