地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
パッと、数人の男達がスタジオ内に現れた。


全員で固まっていて、何かを隠している。



「なに…?」

「アンタのもうひとつの大切なモノ…持って来ちゃった♪」


そう言って、男達の中から出て来たのは…



「……っ……杏っ……樹……!」




変わり果てた柚莉だった。



「柚莉っ!?」


駆け寄り、真っ赤に染まった手で抱き起こす。


制服を着ているため、あたしが学園を早退した後に、巻き込まれたんだ。


柚莉が、焦点のあわない視線をさ迷わせる。


やがてあたしの顔がわかったのか、顔を見た。


その瞬間


女の子とは思えないほど、強い力であたしの腕を掴んだ。


「柚莉!?」

「杏………樹……!」


柚莉の瞳がこれでもかってほどに開く。


「……柚莉?どうしたの?」
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