地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐


「熱い……熱い……よぉ……!」


不意に、彼女はビクンッとのけ反った。
限界まで目を大きく見開き、ヒクッと呼吸を止める。


次の瞬間…、柚莉は声にならない声で絶叫した。



「あああぁぁぁぁぁっ!!」




「柚莉…っ…!?」


抱き起こした体を揺さぶるが、引き攣った悲鳴を上げつづけている。


何か……おかしいっ!



抱きしめたまま、マリナの方を向いた。


「柚莉に何したのっ!!」



鋭い爪を唇にあてて、微笑む。

「なあに〜?ちょっと化け物を食べさせただけじゃな〜い」

「化け物…っ…?」

「天狐の血肉よぉ〜♪さぞ美味しかったでしょうにぃ〜」

「天狐の血肉…!?」



背筋が凍り付いた。
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