地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
陸と柚莉………?
選べるわけがない。
10年以上一緒にいた存在を失うなんて考えられない。
でも…
初めて好きになって…恋して、仕事や学園のこと…全てを忘れて、安息の場所をくれた存在を失うのも嫌だ。
闇の中にいたあたしを、光の中に、連れ出してくれた人達を失うなんて…とても無理だ。
それも……2人の命運をあたしが握ってる。
生かすも殺すのも、あたし次第。
何百億積んだって…かえられない命を……まだ16の小娘のあたしが奪って良いなんて、ありえない。
“『わたし、柚莉っていうの。よろしくね、杏樹ちゃん』”
“『杏樹ちゃんってすごいね!!魔法使いみたいっ!!』”
“『わたしと遊ぼうよ!!』”