地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
ドクンっ…と心臓が跳ね上がった。


喉の奥に絡まるものがあって、息が出来なくなる。



声が声にならない………。


『ん…杏?どうかしたのか?』



耳元で優しい声が聞こえた。




『泣き虫杏ちゃん♪』



『まぁ……泣くのは、俺の前のみだけどな?』



『どこにも行かねぇーから…ゆっくり寝てろ』



『バーカ……杏だから欲しいんだよ。他の女なんて興味ねぇーし』



『りんご飴ごときで喜ぶなんて………お前ガキだな?』



『ヤバ……他の奴らに見せたくねぇー……』



『杏ちゃん?ペットショップ行こうか?』



『杏?おいで?』



『杏に触れて良いのは、俺だけ』



『全く……天然鈍感無自覚無防備娘が…(笑)』




出会ってから………今までのことが、浮かんできた。
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