地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐



でもね………?



そんなバカだけど、陰陽師としての知識は入ってるの。






「ごめんね……?……キツかったでしょう…?」


サラサラの髪を撫でる。



「痛い思いさせて…ごめんね?」




まだ間に合うから。




「いつものように、治してあげるから………ね?」



頭を撫でたまま…呪文を唱える。



「我が身は我にあらず、神の身なり…我が霊力を持って、痛みを還りて治癒と為せ」




暖色の光が陸の体を包み込む。


光が消える頃には、体中の傷口が綺麗に塞がっていた。



「え…………うそ……?」

「傷口がなくなった………?」



あたしの人間離れの術に、周りが驚嘆の声を上げる。
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