地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐


代償――――…………



なんだろうね?



あたしの命かな……?

または、別のもの……?




「目を覚ましたら…あたしは現世にいないかも知れないね?
眠ってるかも…?起きるのはいつかな?……前みたいに、1週間とかじゃないからね」



力いっぱいに抱きしめる。


片口に顔を埋めると…あの変わらない甘い陸の匂いがした。





気長に待ってくれたら、嬉しいかなぁ…。


あっまた我が儘だよね…。



一生……眠ったままかも知れないから、待つのに疲れたら、忘れて良いからね?



ポケットからあの水晶玉を取り出して、陸の手に握らせた。



すぐに消えてなくなる。



全ての記憶は戻った。

これで…これからの生活に支障はなくなるよね。
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