地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐



落ち着かない奴だな…


自分で思った。



「あ、あの…腫れてますよねっ」



ど、どうしよう!








「あ。そうだ…!」




あたしはトイレに駆け込み、ハンカチを水で濡らした。



呪文をかける。




氷のように冷たいのが続く術と、やけどが治る術。


二つの術をかけて

男の人のところに戻る。




不思議な表情をしていた。



「あのっ…左手出して下さい。」



ハンカチを見せて、あたしがしたいことを伝える。



「はい」


出された左手に、ハンカチを外れないようにしっかりと結ぶ。



「冷たいね?」

「濡らしたんで……30分くらい外さないで下さい。


30分経ったら、外しても良いですから…」



左手を見る。
< 68 / 698 >

この作品をシェア

pagetop