地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐

外から声がして、病室の扉を開けて入って来た人は……


「じいちゃんっ…!」



杏のおじい様だった。


「杏樹っ!目が覚めたのか!?」

「うん。今さっき」


杏が答えるよりも早く、おじい様が抱きしめた。


「ちょっ…じいちゃん?」

「杏樹っ…杏樹っ……」



なんか………………ヤダ。

家族なのに……杏に触れるのは嫌だし、俺だけが良い。

男ってだけで……杏に触れてほしくない。


家族に妬いてどーすんだよ…!

それも、おじい様だぞ?



いや…俺んとこの爺が、杏に抱き着いたりでもしたら確実に殺すな。




今だに、おじい様は杏を抱きしめてる。


俺の杏…早く返してもらえませんかね?



「じいちゃん…離して」
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