地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
起きた時は、気付かなかったけど…陸も入院着だ。


近くには、松葉杖があるし…左足にはギブスがつけてある。



「泣き虫杏ちゃん……♪」


前と変わらない声で言われて…また涙が溢れて来た。



「痛…い思い…させて…ごめんな…さい」


途切れ途切れに謝る。


まさか…陸が引き受けてくれたとか…思ってもみなかった。



「“ごめんなさい”じゃなくて…“ありがとう”が良いなぁ〜」


頭を撫でながら、腰を抱き寄せた。


「あ゛り゛がどう゛ござい゛ま゛じだ。」

「それ日本語じゃねぇだろ」

「う゛る゛ざい゛〜」


あたしのガラガラ声に、ケラケラと笑う。



「やっと起きたと思ったら、大泣きだな?」

「あたし、そんなに寝てた?」
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