地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐


「今から話しても嫌いにならないで……」



涙を浮かべ、陸を見上げる。


返事の代わりに、抱きしめる力を強くした。



“大丈夫だから…言ってみろ”

と伝わって来る。




「…自分を囮にして近づいたの」



自然と下を向く。



「うん、それで…?」


陸が続きを促す。



「………………。」


言えなくなった。


知られたら、離れて行っちゃうかも知れない。



「…キスでもされた?」


「…“キスは”されてない。


…肩から流れた血を舐められた」


「制服…脱がされたのか?」


静かに陸が問う。



「…脱がされないよ……破られただけ。」





「へぇ―………?」



背筋が凍る。
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