地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐
その頃…………
咲は、校内をうろついていた。
「杏ちゃんどこのクラスだっけ?」
開場前の学園は、人がごった返していて
咲一人が紛れていても、怪しまれない。
その時
チャイナドレスを着た女の子を見つけた。
「ねぇ、あなたちょっと良いかしら?」
後ろから声を掛けた。
「はい?」
振り返った女の子は、杏樹と同じくらい可愛かった。
「…あの
神崎杏樹って子…知ってる?」
「えっ…?杏樹ですか?」
女の子は目を見開く。
「知ってる?
私、その子に用事があるの」
「……どういうご用ですか?」
「ちょっと…チャイナドレスを着せようと思ってね?」
チャイナドレスという単語を出すと、
女の子の強張った表情が緩む。
……この子は、杏ちゃんと仲が良いわね!