地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐


紙袋の中から、何かを取り出す。



「ね?着てみたくなったでしょ?」




それは


赤のチャイナドレスで…


咲さんが自分の体に合わせて、あたしに見せた。



「咲さんっ可愛い!」


柚莉が歓喜の声を上げる。



「でっしょ?

杏ちゃんに着せたくて堪らないの!」


ニコニコ笑顔の咲さん。



・・・・・・。



「「ほらっ…制服脱いで!」」

咲さんと柚莉が、あたしを促す。



「…ムリです。

そんなのあたしには……」


フルフルと首を振り、拒否する。




「あらー……


じゃあ……雑誌の撮影に参加したこと…


陸に話して良いのね?」




!?



「いやっ……それは……」


「今日一日中調理組なんでしょ?


着てたって陸にはバレないわよ♪」
< 89 / 698 >

この作品をシェア

pagetop