波乱LOVE■番外編■~俺様悪魔の命令に背いた場合~
本当の気持ち
追いかける勇気もなく……
またあの日のことを後悔する。
美術室に来いって言ってくれたのに、なんで行かへんかったんやろ。
私と大雅はもう別々の道を歩いてる。
交わることのない道……
ってそんなかっこええ言い方しても全然かっこええもんじゃない。
ただ、愛想尽かされただけ。
素直になれない杏奈は、もう大雅のおもちゃにもなれない。
それから数日して、お兄ちゃんからまた新情報を聞いた。
大雅の結婚相手として有力な女の人が、お兄ちゃんの知り合いの知り合いの知り合いの彼女らしい。
これまた遠いけど。
それに、その人も彼氏おるんかいって感じ。
「お前、このままでええんか?ほんまに婚約とかしてもーたら、どうすんねん!!」
「だって、どう転んでも御曹司と私なんかつりあわへん」
「そんなこと問題ちゃうやろ。大雅は、自分が御曹司やってことを隠して、高校に通ってるんやから、普通の恋愛がしたいんや!せっかくチャンス作ったったのに、もう知らんぞ」
お兄ちゃんは、イライラした様子で私の前で貧乏揺すりをする。
「もう嫌われたもん」
「それ確認したんか?女ってそういう所あるよなぁ。マジでうざいわ~そういうのん。大雅の心の中、お前は見えてると思ってんのか?」
珍しく本気で怒ってるお兄ちゃん。
私は明日、大雅と話してみようと決意した。