波乱LOVE■番外編■~俺様悪魔の命令に背いた場合~
大雅、なんで私の手紙をあんなことしたん?
大雅、なんでこんなところにおるん?
大雅、保健の先生と付き合ってるん?
もうこれっぽっちも私のこと好きじゃないん?
「やっぱいいです!!!!」
私は保健室を飛び出した。
これで満足?
大雅は、私が来たってわかって、わざと声を聞かせた。
わかってる。
大雅ってそういうヤツやもん。
もういいもん。
「ちょっと早退する」
私は3人にそう言って、職員室へ向かった。
担任には気に入られてるから多分大丈夫……
この私の暗い顔見たら、みんな帰らせてくれるやろうけど。
「失礼します」
職員室のドアを開けて、最初に目に入ったのは、
今私が最も避けている人物……
「コーチ……」
「久保田、どないしたんや?」
「コーチこそ。なんでこんな時間におるん?」
「来年度のコーチの引継ぎでな。俺の後輩がコーチになることになったからちょっと手続きしとったんや」
会いたくなかった。
こんな悲しい気分の時に……
優しくされたくない。
自分の心を偽ってしまいそうになる。
大雅が好きやのに。
大雅のことを嫌いになりたい私もおって。
ついついこの優しい笑顔に甘えてしまいそうになる。
だから、優しくせんとって。
コーチ……
私、好きちゃうもん。
コーチのこと。