波乱LOVE■番外編■~俺様悪魔の命令に背いた場合~




「あの雨の日から私のこと狙ってたん?」



「あほか。もっと前やわ。小学校の頃…… ピアノの発表会で初めて俺とお前は出会ったんや。まぁ、運命の出会いってやつかな」




全然覚えてないけど、大雅の話を聞いて少し思い出した気もする。


小学校の時、あんまり好きじゃなかったピアノ。

発表会もやる気なしやった私。



前に並んでた男の子が、緊張して震えていたような気が……




それが大雅やったってこと?



「杏奈のおかげで、俺はそれから緊張せーへんようになった。ピアノだけじゃなくて、いろんなことに強くなれたんや。俺は、ずっとお前を探してたんやで」



うぅ~

甘い顔。

甘い声。



動画撮りたいくらい、かっこええやん。




大雅は、見とれる私の頭をコツンって叩いた。



「美術室にお前が来てくれへんかった日に、親父からお見合いの話されたんや。来年、正式に婚約の話を進めたいって言われて。俺、どうしてええかわからんかった。杏奈のことめっちゃ好きやのに、顔見たらいじわるばっかり言ってまうし」


「ほんまの大雅はいじわるじゃないん?」



「いじわるやで。このままやけど…… でも、お前に嫌がらせしとったんは、お前を強くしたかったから。会社を経営するようになる俺の嫁として、いろんな困難に打ち勝てるように、強い女になって欲しかった。どんなことがあっても、俺のことを信じてくれる女にしたかったんや」




正しいような間違ってるような話やけど、まぁえっか。




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