中学最後の冬休み《短》
ベッドに座ってぼーっとしていると、足音が聞こえてきた。
良かった。間に合ったか。
俺は胸を撫で下ろした。
足音が部屋の前で止まる。
それと同時に部屋のドアが開いた。
「お風呂ありがとう。……ん? 拓(タク)、どうかしたの? なんか疲れた顔してるよ?」
いつもより幼く見える顔。
赤く染まった頬。
真っ直ぐな焦げ茶色のロングヘアー。
ふわふわしたミニワンピース。
お揃いらしいふわふわの靴下。
そんな格好で。
「……別になんもねえよ」
二歳年上の幼なじみ。
……というか、俺が好きな女は現れた。