中学最後の冬休み《短》
やばい。
心臓の動きが早過ぎる。
俺はナツから目をそらした。
ナツが部屋に入ってくる気配がすると、バタンとドアが閉まる音がした。
……あれは反則だろ。
夏に見た水着姿もやばかったけど、今日のほうがもっとやばい。
ちらっとナツを見るとテーブルの前に座って、テレビを見ながら笑っている。
ちくしょう。
こんなに緊張してるのは俺だけかよ。
俺は顔を伏せて、足元を見つめながら深くため息をはいた。
「ねえ? 大丈夫? 具合悪いの?」
横から声が聞こえて目を開ける。
隣を見ると、そこには心配そうな顔をしているナツがいた。