中学最後の冬休み《短》

時計の針は午前一時をさしていた。

ナツはコントローラーを握りながらも体がフラフラしている。

普段は全くゲームをしないナツはもう限界なんだろう。

俺もさっきよりだいぶ落ち着いたし、瞼もいい感じに重い。

「そろそろ寝るか」

ナツは目を擦りながら首を縦にふった。


早く布団敷いてやんなきゃやばそうだな。

両手を上に上げて思いっ切り伸びをする。

首を曲げるとボキボキっと音がした。

よしっ。布団敷くか。


「拓、奥と手前どっちがいい?」

そう立ち上がったとき。

いつの間にか、ベッドの上に座っていたナツが声をかけてきた。

てか、奥と手前ってなんだ?

「ナツ? 何の話だ?」

俺は足を止めて、ナツを見た。
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