ひとりごと
ブチッブチッ
私の中で音がする
もう我慢出来ひん
そう思った時
Tちゃんが「ねぇ名前なんて言うの?」
男は渋ってたけどTちゃんがニコニコと何度も聞くから仕方なく名乗った
それから男が私に何か言おうとするたびTちゃんが名前を連呼
そのせいでだんだん男は酔いがさめてきたのか素に戻り静かになった
暫くしていきなり「すみませんでした」と私に言って帰って行った
私達の楽しい時間を帰せぇ
男が帰った後Tちゃんが「皆私に任せっきりで知らん顔してるしいつの間にかマスターまでそっち行って話してるし」
「ごめんね。けどTちゃん上手いねんもん」
「何回もキレかけたわ」
「そうは見えなかったよ」
「佳歩さんもよく我慢したわ。一体この男は何言うのって思ったわ。あまりにもひどすぎるわ。佳歩さんと付き合い長い私より何知ってんのってムカムカした。マスターほっといた罰に私に一杯おごってよ」
Tちゃん綺麗な顔で終始ニコニコとかわしてたから腹立てるの分からなかったと皆で言うと昔大阪のミナミに勤めてたことがあると
なるほど と納得
マスターが
「けどあんな人やけど悪い人ではないと思うで」
「そうは思うけど可愛そうな人やね」と私
いくら稼いでも奥さんには相手にされてないみたいやし
ただただ構ってほしいからちょっかい出してるんやろな
Tちゃんが「あんなにしつこく佳歩さんに突っ掛かってくるのはホンマは佳歩さんのことが好きで構って欲しかったんちゃう」