空色幻想曲
「じゃあ、行くよ」
「ええ、気をつけて行ってらっしゃい」
何気ない挨拶を別れの言葉に変えて、ゆっくりと扉を押し開けた。
外に出て、ふと、仰ぎ見る。
もう光を映すことのないこの右眼でさえも眩しさを感じるほどに、どこまでも澄みきっていた。
美しい、青。
君の髪は、ちょうど今日のような空の色だろう。
「もうすぐ、逢えるな……」
かすかに漏らした呟きは空に溶けるように
風に、乗って、消えた……
********************
Ouverture-序曲- 終
「ええ、気をつけて行ってらっしゃい」
何気ない挨拶を別れの言葉に変えて、ゆっくりと扉を押し開けた。
外に出て、ふと、仰ぎ見る。
もう光を映すことのないこの右眼でさえも眩しさを感じるほどに、どこまでも澄みきっていた。
美しい、青。
君の髪は、ちょうど今日のような空の色だろう。
「もうすぐ、逢えるな……」
かすかに漏らした呟きは空に溶けるように
風に、乗って、消えた……
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Ouverture-序曲- 終