空色幻想曲
†お姫様を捜せ!
Lute side
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「ティアニス姫を捜すの?」
鍛錬場に戻って、副隊長のレガートにだけダリウス殿との話を伝えた。現在、協力を頼めそうな者は彼しかいない。
「手伝ってくれるか?」
「君は隊長なんだから命令していいんだよ?」
「今回は命令するほどのことじゃない」
「僕の好きにしろ、と?」
「ああ」
すると、フッとおだやかに笑って
「じゃあ手伝うよ。君のこと……もっと知りたくなったからね」
「…………」
妙に艶めいた声で囁かれてしまった。
そんな異性を口説くときのような甘いマスクと甘い声で言われたら、こちらが反応に困る。
(物好きな男だ……)
わざとらしく咳払いして話を戻す。
「コホン。……じゃあ手分けしよう」
「心あたりはあるの?」
「ダリウス殿が地図に印をつけてくれた」
「どれどれ?」
王宮の案内図を広げて確かめる。地図には黒い丸が数箇所。中でも特によく行くであろう場所は赤い二重丸で囲ってあった。その赤丸に注目する。
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「ティアニス姫を捜すの?」
鍛錬場に戻って、副隊長のレガートにだけダリウス殿との話を伝えた。現在、協力を頼めそうな者は彼しかいない。
「手伝ってくれるか?」
「君は隊長なんだから命令していいんだよ?」
「今回は命令するほどのことじゃない」
「僕の好きにしろ、と?」
「ああ」
すると、フッとおだやかに笑って
「じゃあ手伝うよ。君のこと……もっと知りたくなったからね」
「…………」
妙に艶めいた声で囁かれてしまった。
そんな異性を口説くときのような甘いマスクと甘い声で言われたら、こちらが反応に困る。
(物好きな男だ……)
わざとらしく咳払いして話を戻す。
「コホン。……じゃあ手分けしよう」
「心あたりはあるの?」
「ダリウス殿が地図に印をつけてくれた」
「どれどれ?」
王宮の案内図を広げて確かめる。地図には黒い丸が数箇所。中でも特によく行くであろう場所は赤い二重丸で囲ってあった。その赤丸に注目する。