空色幻想曲
ズズズズズ……
──え、え、え? なんの音!?
地震……というほどではないけれど、重たい岩が引きずられるような大きな音が響きわたった。耳を貼りつけた壁にまで音の振動が伝わって小刻みにふるえている。
──まさか……!
音の正体に思いあたったとき、壁がまっ二つに割れた!
射しこんできた光のまばゆさに貫かれてとっさに目を閉じる。同時に地鳴りのような音がやんだ。
「やっぱりここか」
降ってきたのは、涼やかに響く男の人の声。
まぶたを開けてぼやけた視界に映ったのは、銀色のシルエット。
「かくれんぼは終わりですよ、ティアニス姫」
「!? レガート! どうしてここに……」
「もちろん、可愛らしい鬼を捕まえに」
極上の貴公子スマイルと甘い声でさらりとキザな台詞を吐く。しかもそれが最高に似あっている。私は耐性があるけれど、ファンが聞いたら卒倒ものだろう。
「リュートは!?」
「別の場所を捜していますよ。グレイ隊長に見つけてほしかったんですか?」
「う……」
「それならこんなところに隠れちゃダメですよ。穴場を知っているのは僕くらいのものでしょう」
「あ、そっか!」
──え、え、え? なんの音!?
地震……というほどではないけれど、重たい岩が引きずられるような大きな音が響きわたった。耳を貼りつけた壁にまで音の振動が伝わって小刻みにふるえている。
──まさか……!
音の正体に思いあたったとき、壁がまっ二つに割れた!
射しこんできた光のまばゆさに貫かれてとっさに目を閉じる。同時に地鳴りのような音がやんだ。
「やっぱりここか」
降ってきたのは、涼やかに響く男の人の声。
まぶたを開けてぼやけた視界に映ったのは、銀色のシルエット。
「かくれんぼは終わりですよ、ティアニス姫」
「!? レガート! どうしてここに……」
「もちろん、可愛らしい鬼を捕まえに」
極上の貴公子スマイルと甘い声でさらりとキザな台詞を吐く。しかもそれが最高に似あっている。私は耐性があるけれど、ファンが聞いたら卒倒ものだろう。
「リュートは!?」
「別の場所を捜していますよ。グレイ隊長に見つけてほしかったんですか?」
「う……」
「それならこんなところに隠れちゃダメですよ。穴場を知っているのは僕くらいのものでしょう」
「あ、そっか!」