空色幻想曲
「でや────っ!!」

 雄雄しい叫び声に弾かれるように扉が吹っ飛んだ!

 ………………………………………………………………
…………………………………………………………………
…………………………………いや、ちょっと待て。

 蹴破るか?
 普通、蹴破るか?
 鍵は掛けていなかったんだぞ。普通に入ってくればいいだろ。

 部屋の隅に移動したのは正解だった。でなければ、扉の下敷きになったマントと同じ運命を辿っていただろう。

 …………俺を殺す気か。

 荒い息をしながら入ってきた彼女は親の(かたき)にでも会ったような形相。

「もう逃げもかくれもできないわよっ。覚悟はいい!?」
< 144 / 347 >

この作品をシェア

pagetop