空色幻想曲
ごめんなさい、お父様、お母様、お祖父様。ティアニスはお嫁にいけない体になってしまいました。
あ、私は女王になるのだからお嫁にはいかない。お婿をとれなくなったのか。
いや、そうじゃなくて。
(どうしよう。相手が平民出身の騎士じゃ『責任取って』とも言えないし……)
別に私は出身や家柄なんてどうでもいいけれど、王族の結婚はそうもいかない。第一、お祖父様が絶対に許してくれない。
(な、なにを考えてるの、私……)
はた、と我にかえる。
あれは事故だ、事故。彼も不可抗力だと言っていた。ほんとうかどうか定かではないけれど。
彼のほうは何事もなかったみたいにしれっとしていた。
(きっとあんなこと、慣れているんだ。大したことじゃないんだ。あの顔であの年だもの)
いや、年は知らないけれど。
でも、そういう経験があってもなんら不思議ではない。彼ならなにもしなくても女性のほうからよってくるだろう。
なんだかドキドキしていた胸がムカムカしてきた。自分だけうろたえているのは非常にバカバカしいじゃないか。
(い、犬にかまれたと思って忘れよう……)
********************
あ、私は女王になるのだからお嫁にはいかない。お婿をとれなくなったのか。
いや、そうじゃなくて。
(どうしよう。相手が平民出身の騎士じゃ『責任取って』とも言えないし……)
別に私は出身や家柄なんてどうでもいいけれど、王族の結婚はそうもいかない。第一、お祖父様が絶対に許してくれない。
(な、なにを考えてるの、私……)
はた、と我にかえる。
あれは事故だ、事故。彼も不可抗力だと言っていた。ほんとうかどうか定かではないけれど。
彼のほうは何事もなかったみたいにしれっとしていた。
(きっとあんなこと、慣れているんだ。大したことじゃないんだ。あの顔であの年だもの)
いや、年は知らないけれど。
でも、そういう経験があってもなんら不思議ではない。彼ならなにもしなくても女性のほうからよってくるだろう。
なんだかドキドキしていた胸がムカムカしてきた。自分だけうろたえているのは非常にバカバカしいじゃないか。
(い、犬にかまれたと思って忘れよう……)
********************