空色幻想曲
◇ ◇ ◇
俺はのどかな森の梢で森林浴を楽しんでいた。もうすっかり日課になってしまったな。
ティアニス王女との勝負も、今日で終わる。
なんだかとてつもなく長い一週間だった気がする。いや、過ぎてみるとあっという間な気もするが。長いような短いような、それでいて馬鹿馬鹿しい一週間だった。
こんなふうに時が不思議に長くも短くも感じられるのは、充実したものが多いはずなのに。
例外もあるということだな。
まあ、それも今日で全て片がつく。馬鹿馬鹿しくはあったが、そのおかげでこのような憩(いこ)いの場所を見つけられたことは収穫だった。
……なんてことを考えながら、心地いい空気にまどろんだ。
ゆっくりとなにかが近づいてくる気配にピクリと反応する。
規則正しく草と土が擦れる音。これは、動物ではない。人か?
かすかに、けれど確かに大きくなっていく音のほうに視線を動かす。間もなく俺の斜め下──川辺のところで止まった。
その正体に一瞬目を見開く。空色の髪の少女が、辺りをキョロキョロ見回していた。
──ほう、俺を捜しにきたのか。よくここがわかったな。
呑気に腕組みをした。
少し視線を上げればすぐ見つかる位置にいる。
せっかくここまで来たんだ。しばらく寝た振りでもして好きにさせてやるか。
見つからなければそれで良し。
見つかってもどうとでもなる。
余裕たっぷりでゆっくり目を閉じた。
俺はのどかな森の梢で森林浴を楽しんでいた。もうすっかり日課になってしまったな。
ティアニス王女との勝負も、今日で終わる。
なんだかとてつもなく長い一週間だった気がする。いや、過ぎてみるとあっという間な気もするが。長いような短いような、それでいて馬鹿馬鹿しい一週間だった。
こんなふうに時が不思議に長くも短くも感じられるのは、充実したものが多いはずなのに。
例外もあるということだな。
まあ、それも今日で全て片がつく。馬鹿馬鹿しくはあったが、そのおかげでこのような憩(いこ)いの場所を見つけられたことは収穫だった。
……なんてことを考えながら、心地いい空気にまどろんだ。
ゆっくりとなにかが近づいてくる気配にピクリと反応する。
規則正しく草と土が擦れる音。これは、動物ではない。人か?
かすかに、けれど確かに大きくなっていく音のほうに視線を動かす。間もなく俺の斜め下──川辺のところで止まった。
その正体に一瞬目を見開く。空色の髪の少女が、辺りをキョロキョロ見回していた。
──ほう、俺を捜しにきたのか。よくここがわかったな。
呑気に腕組みをした。
少し視線を上げればすぐ見つかる位置にいる。
せっかくここまで来たんだ。しばらく寝た振りでもして好きにさせてやるか。
見つからなければそれで良し。
見つかってもどうとでもなる。
余裕たっぷりでゆっくり目を閉じた。