空色幻想曲
†ジャジャ馬姫の猛攻†
Tirnis side
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翌日から、不良騎士との修行が始まった。
昨日の様子からまた逃げるかと思っていたけれど、ちゃんと約束を守ってくれた。頼みに行こうとしたら、職務を終えた彼自ら迎えにきてくれたのだ。
「約束は約束だからな」
とぶっきらぼうにつぶやいていたけれど、不良騎士のくせに意外と律儀な人なのかもしれない。
代わりに、休日は稽古をしない、という条件を出されて素直にうなずいた。
そして、おたがいの日課を終えた後──夕方から陽が沈むまでのごく短い時間を修行に使うことにした。
修行場所に選んだのは、森に入って小道を歩いた先にある川のほとり。昨日、彼が昼寝をしていた場所だ。
川辺の木が密集していない広く平らなところで、二人向かいあった。
彼は、いつもの制服を着くずしたカッコのまま。
私はというと王子服ではなく、修行用の部分鎧を身に着けていた。金のふちどりがある白銀の鎧。女性用なので軽めの金属で作られている。腰には、鮮やかな朱色の鞘に納まった剣。
「それがお前の剣か」
「そうよ」
愛用の剣を少し持ちあげて見せた。
手を護るための装飾がついた片手剣で、全長は70㎝くらい。護拳つきは刃が細長くとがったタイプが多いけれど、これは刃が短くて幅が広めの
──『ブロードソード』。
剣の重さや長さはショートソードと似ているから、『護拳つきのショートソード』と言ってもまちがいではない。
鞘と柄に金の装飾と真紅の宝石がはめこまれていて儀式用にも使えるくらいきれいなデザインだけど、ちゃんと実戦向きのもの。
女性でもふりやすいように……とフェンネルが見立ててくれた。
一昨年の誕生日にもらって以来、ずっと私の宝物だ。
「あなたのは……めずらしいわね。片手半剣?」
今度は彼の武器に視線を移す。
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翌日から、不良騎士との修行が始まった。
昨日の様子からまた逃げるかと思っていたけれど、ちゃんと約束を守ってくれた。頼みに行こうとしたら、職務を終えた彼自ら迎えにきてくれたのだ。
「約束は約束だからな」
とぶっきらぼうにつぶやいていたけれど、不良騎士のくせに意外と律儀な人なのかもしれない。
代わりに、休日は稽古をしない、という条件を出されて素直にうなずいた。
そして、おたがいの日課を終えた後──夕方から陽が沈むまでのごく短い時間を修行に使うことにした。
修行場所に選んだのは、森に入って小道を歩いた先にある川のほとり。昨日、彼が昼寝をしていた場所だ。
川辺の木が密集していない広く平らなところで、二人向かいあった。
彼は、いつもの制服を着くずしたカッコのまま。
私はというと王子服ではなく、修行用の部分鎧を身に着けていた。金のふちどりがある白銀の鎧。女性用なので軽めの金属で作られている。腰には、鮮やかな朱色の鞘に納まった剣。
「それがお前の剣か」
「そうよ」
愛用の剣を少し持ちあげて見せた。
手を護るための装飾がついた片手剣で、全長は70㎝くらい。護拳つきは刃が細長くとがったタイプが多いけれど、これは刃が短くて幅が広めの
──『ブロードソード』。
剣の重さや長さはショートソードと似ているから、『護拳つきのショートソード』と言ってもまちがいではない。
鞘と柄に金の装飾と真紅の宝石がはめこまれていて儀式用にも使えるくらいきれいなデザインだけど、ちゃんと実戦向きのもの。
女性でもふりやすいように……とフェンネルが見立ててくれた。
一昨年の誕生日にもらって以来、ずっと私の宝物だ。
「あなたのは……めずらしいわね。片手半剣?」
今度は彼の武器に視線を移す。