空色幻想曲
私の剣の倍くらいある大剣。
両手剣に見えるけれど、柄がやや短く、でも片手剣のそれよりは長い。これは、片手と両手、どっちでも使えるように柄を『片手+その半分』の長さにしてある。
だから片手半剣という。
どっちでも使えるというと便利なように聞こえるが、実はそうではない。柄の長さがハンパなぶん剣身との重量バランスがふつうの剣とちがうため、使いこなすにはかなりの腕と訓練がいる。剣の初心者ではまずあつかえない代物で“熟練者の剣”とも呼ばれていた。
そう、めずらしいと言ったのは剣のことではない。これを自在にあつかえる者がめずらしいのだ。
この武器を見ただけでも、彼の強さがうかがい知れる。
「ああ、俺のは『バスタードソード』だ」
「え? バスタード? ……ワーソードとかじゃなくて?」
「武器の知識はあるみたいだな」
「あたりまえでしょ」
感心するようにつぶやいた彼に、得意げに笑って見せた。
戦闘は、ただ剣が強いだけで勝てるものじゃない。必要なのは自分の武器と相手の武器を知ること。その特性を見ぬいて相手に通用する戦い方を生みだしたほうが、勝つ。
まあ、フェンネルの受け売りだけどね。
で、なんでバスタードと聞いて驚いたかというと。
バスタードソードもワーソードも片手半剣の一種だ。二つの剣の大きなちがいは、バスタードは『背中に背負って使うもの』だということ。
それを彼は、腰にさげている。
「正確にはバスタードだったものだ。子供のころは背負っていた」
「なるほどね」
言われてみると、細身の刃に対して直角の鍔は、一般的なバスタードによく見られる造りだ。
でも、もともと背中に背負うものを腰にさげて使うのは口で言うほどカンタンじゃないと思う。身長が低いと剣の先っぽを引きずってしまうし、腕の長さがないと鞘からすばやく剣をぬくこともできない。
長身の彼だからこそ、こういう特殊な使い方ができるんだろう。
両手剣に見えるけれど、柄がやや短く、でも片手剣のそれよりは長い。これは、片手と両手、どっちでも使えるように柄を『片手+その半分』の長さにしてある。
だから片手半剣という。
どっちでも使えるというと便利なように聞こえるが、実はそうではない。柄の長さがハンパなぶん剣身との重量バランスがふつうの剣とちがうため、使いこなすにはかなりの腕と訓練がいる。剣の初心者ではまずあつかえない代物で“熟練者の剣”とも呼ばれていた。
そう、めずらしいと言ったのは剣のことではない。これを自在にあつかえる者がめずらしいのだ。
この武器を見ただけでも、彼の強さがうかがい知れる。
「ああ、俺のは『バスタードソード』だ」
「え? バスタード? ……ワーソードとかじゃなくて?」
「武器の知識はあるみたいだな」
「あたりまえでしょ」
感心するようにつぶやいた彼に、得意げに笑って見せた。
戦闘は、ただ剣が強いだけで勝てるものじゃない。必要なのは自分の武器と相手の武器を知ること。その特性を見ぬいて相手に通用する戦い方を生みだしたほうが、勝つ。
まあ、フェンネルの受け売りだけどね。
で、なんでバスタードと聞いて驚いたかというと。
バスタードソードもワーソードも片手半剣の一種だ。二つの剣の大きなちがいは、バスタードは『背中に背負って使うもの』だということ。
それを彼は、腰にさげている。
「正確にはバスタードだったものだ。子供のころは背負っていた」
「なるほどね」
言われてみると、細身の刃に対して直角の鍔は、一般的なバスタードによく見られる造りだ。
でも、もともと背中に背負うものを腰にさげて使うのは口で言うほどカンタンじゃないと思う。身長が低いと剣の先っぽを引きずってしまうし、腕の長さがないと鞘からすばやく剣をぬくこともできない。
長身の彼だからこそ、こういう特殊な使い方ができるんだろう。