空色幻想曲
『ティアのことよろしく頼むわ』
そうだ。
騎士でありながら、彼は仕える国の王女を『ティア』と愛称で呼んでいた。ともすれば聞き流してしまうくらい自然で、当然のことのようだった。
(王族の親戚縁者か……?)
だとしても正統な次期王位継承者をあのように呼び捨てるのは、よほど親密な関係でないと──……
(俺には関係ないことだ)
答えの出ないことを考えあぐねるのは時間の無駄というもの。
思考を無理やり遮断するため、再び寝台に横たわり目を閉じた。
********************
そうだ。
騎士でありながら、彼は仕える国の王女を『ティア』と愛称で呼んでいた。ともすれば聞き流してしまうくらい自然で、当然のことのようだった。
(王族の親戚縁者か……?)
だとしても正統な次期王位継承者をあのように呼び捨てるのは、よほど親密な関係でないと──……
(俺には関係ないことだ)
答えの出ないことを考えあぐねるのは時間の無駄というもの。
思考を無理やり遮断するため、再び寝台に横たわり目を閉じた。
********************