空色幻想曲
†孤独な闘い†
God aspect
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弓を張った月が中天にかかる夜半過ぎ。
昼間は血と汗と剣戟が乱れ飛ぶ鍛練場に、今はうっすら開いた木製の窓から淡い月明かりが糸のように垂れ下がっているのみ。
その中央で、粛然とたたずむ影があった。
暗がりの中では鬼と見間違うほど大きく、地に根ざした大樹のようにどっしりと立ちつくしている。
巨漢が構えるのは体躯に見合った超重量の大剣。
だが、対峙する者はおらず、双眸は眠っているかのようにまぶたの幕を下ろしていた。
いや、対峙しているのは“闇”そのものか。
王国一の実力者。
いつのころか、担ぎあげている大剣より重たい称号を掲げることが常になった。称号を得た代償に、かつて肩を並べていた者はことごとく脱落していった。
それでもなお強さを求める彼には、戦う相手は闇に見出すほかないのかもしれない。
強者ゆえの、孤独な闘い。
毎夜、密やかに、繰り広げられていた。
──……
突如、窓が開かれ月光をまとって飛びこんできた人影──
──十字の剣が巨漢の脳天を閃く!
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弓を張った月が中天にかかる夜半過ぎ。
昼間は血と汗と剣戟が乱れ飛ぶ鍛練場に、今はうっすら開いた木製の窓から淡い月明かりが糸のように垂れ下がっているのみ。
その中央で、粛然とたたずむ影があった。
暗がりの中では鬼と見間違うほど大きく、地に根ざした大樹のようにどっしりと立ちつくしている。
巨漢が構えるのは体躯に見合った超重量の大剣。
だが、対峙する者はおらず、双眸は眠っているかのようにまぶたの幕を下ろしていた。
いや、対峙しているのは“闇”そのものか。
王国一の実力者。
いつのころか、担ぎあげている大剣より重たい称号を掲げることが常になった。称号を得た代償に、かつて肩を並べていた者はことごとく脱落していった。
それでもなお強さを求める彼には、戦う相手は闇に見出すほかないのかもしれない。
強者ゆえの、孤独な闘い。
毎夜、密やかに、繰り広げられていた。
──……
突如、窓が開かれ月光をまとって飛びこんできた人影──
──十字の剣が巨漢の脳天を閃く!